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 ユニチカユニオン

2020作品コンクールCONCOURS

文芸の部 俳句

特選 入選 佳作 (敬称略)
爽やかに金木犀香る初産の日
めでたい喜びの句。初産が待ち遠しい秋の頃、庭にただよう芳香は出産を待ちわびているようです。初産と木犀の香り、取り合わせが素晴らしいです。
招き猫 本社
鈴虫の声が聞こえる生活音
音を主題にした俳句は珍しいです。夜も深くなった我が家、どこかで鈴を振るような美しい声で鈴虫がひそかに鳴いている。家内の団欒中、鈴虫も会話するように鳴いている。作者はふと鈴虫も我が家の一人、生活者だと思ったのでしょう。
長井 奨弥 岡崎
雨上がり雲の上には虹のみち
夕立が降りすぐ止むと雲間に虹をみた。やさしい虹。虹は雲を導くように七色の橋を作って待っているのです。自然同士の愛を感じます。
有田 稔 垂井
夕暮れに金木犀の風吹いて
素直な句。作意のない当たり前の句で、当たり前の句こそ、句が生きてきます。作者と自然とは愚直に結び合ったのでしょう。こんな美しい風景はないと思います。
西村 徳之 垂井
*入選作は講評を抜粋しています

おでん食う全集中の冷ます息 たっぽん 岡崎
雪嶺や颪痛みし伊吹山 金刺 祐大 岡崎
富士山や雪と紅葉(もみじ)のハーモニー R.K 岡崎
冬が来て日の出が遅れ寝坊する 寒川 和貴 岡崎
鯉はねて雨が恋しと雨蛙 Y.S 岡崎
「手伝うよ」玄関で待ってた苦瓜 旅好き 岡崎
マスクごし懐かしき冬の凍る息 橋 宏彰 岡崎
月明り照らすあなたに見蕩れてる Y.T 岡崎
乱獲で庶民の味が高価格 長井 奨弥 岡崎
秋風や吹いて惜しむは暑さかな S.N 岡崎
初雪はまだかまだかと空を見る M.N 岡崎
熱い酒季節に問わず強い酒 野中 謙次郎 岡崎
紅葉の葉真っ赤に咲かす自然の美 野中 謙次郎 岡崎
美味しそうあの子と一緒に器も鍋破 愛に飢え太朗 岡崎
有馬行き夜空に浮かぶ流れ星 平松 拓也 岡崎
暑い夏コロナも加わり不安なり 藤井 洋充 岡崎
ナイターでフライを打ち上げナイター G・野球好き 岡崎
落ち葉踏み暮れの早さに身が縮む 青山 康弘 垂井
冬近し吐息がふわっと白くなる 上田 英良 垂井
極寒の湖上ワカサギ大漁旗 包国 敬志 垂井
こたつ出し家族全員夢の中 川口 遥奈 垂井
紅葉散り冬が始まる知らせかな M.K 垂井
秋を待つ染まらぬ葉っぱいとおしい M.K 垂井
風がふきひらひら踊る紅葉の葉 M.K 垂井
秋の空深まる木々にもみじ狩り M.K 垂井
帰る時もう寒いなあ冬の風 小寺 成明 垂井
寒い時お風呂入るとすぐ眠る 小寺 成明 垂井
暑い時シャワーですむ夏だった 小寺 成明 垂井
見上げれば澄み渡る空流れ星 駒沢 裕 垂井
外寒し内は家族でぽっかぽか 駒沢 裕 垂井
戸を開けて夜明けまだかと見悶える 土田 誠 垂井
澄み渡り吐く息白く曇る窓 土田 誠 垂井
青空に海を浮かぶる心地よさ 土田 誠 垂井
秋の空紅葉はいつも舞い落ちる 津山 龍也 垂井
秋風の田では稲穂が下を見る 西川 朋二 垂井
天高し色深めわく秋日かな 西川 朋二 垂井
日差しさし草木に映える霜化粧 福士 滉也 垂井
自己防衛密を避けての初詣 藤井 光翼 垂井
クリスマスポッケにしまうかじかむ手 持留 大介 垂井
風吹いてひらひら踊る落ち葉たち T.M 垂井
またいつか皆でワイワイ忘年会 柳澤 祥平 垂井
父母の亡き枇杷に群がる子や鳥や N.H 宇治
天の川うち眺むる母あるや あまあま 本社
帰り路の金木犀に思い馳せ T.I 本社
御堂筋銀杏拾い匂い立つ H.I 本社
不器用にマフラー編んで冬支度 H.I 本社
天高くイワシ雲見て秋恋し H.I 本社
赤黄緑街路彩る秋の嵐 招き猫 本社
鍋よりもアイス美味しい今日の秋 M.K 本社
いつもより心に染みる秋の山 M.K 本社
コロナ禍を藁にも縋るおもいにて ジュジュ 本社
夏マスク怪しまれし日は今いずこ ジュジュ 本社
カサコソと落ち葉で奏でる冬の声 着本 恭代 本社
耳すます冬の足音落ち葉から 着本 恭代 本社
秋深しみのりがおおきわが身体 F.M 本社
高まりのワケは花火かこの君か 吉田 雄大 本社