駅前で歌う若者通り過ぎ引き返し聴く晩秋の宵 お心の動きが読者にも伝わってくるようです。「晩秋の宵」が効果的で雰囲気をはっきりと想像させ、歌声にひかれて戻ってゆかれる作者、若者の姿にふと御自身を重ねておられるようなそんなノスタルジアを感じさせます。 |
西村 徳之 | 垂井 |
散髪で子供が髪を切った時おどろくほどに自分そっくり てらいのない短歌で魅力的です。作者のおどろきがそのままに伝わってくるようです。思い掛けないことだったのでしょう。お子さんは女の子なのかしらと自ずと思わせます。写真を見せてくださいといいたくなります。 |
Y.M | 垂井 |
マフラーをはずしてひらりまいおりた小さなもみじ秋の訪れ 歌よみびとは永遠に少年と少女、と私の父である佐沢波弦は歌会で遠い日に申しておりました。マフラ−はお洒落で巻くこともあります。漸く秋が来たのだと実感なさった作者の小さな喜びが少女のように表現されています。 |
Y.H | 本社 |
露天商今年はコロナで四苦八苦早く見たいな夜空の花火 昨年はコロナウイルスで私たちの日々は激変しました。作者は露天商の方達や花火師のことにも思いを致しておられる。当たり前のように思っていた夏祭りも中止になりました。今年は如何なるのでしょうか。共感させられます。 |
H.O | 岡崎 |
彼岸すぎ心に誓う三日月に七難八苦や捲土重来 | H.O | 岡崎 |
コロナ禍でビクビクしてもしかたない精一杯に今を生きうる | H.O | 岡崎 |
また休み一時帰休の過ごし方テレビを観るのいや学問を | H.O | 岡崎 |
神無月今年はないの旗の日が知らない父は心ウキウキ | H.O | 岡崎 |
リモートをやったはいいがはいてないモニター越しのこめかみの汗 | H.O | 岡崎 |
過ぎ去りし思いに耽り立ち止まりずっといっしょに妻とあるくひ | H.O | 岡崎 |
異動して古巣に戻りて家路にて見つめなおして塞翁が馬 | H.O | 岡崎 |
願かけてあれからざっと五十年弔い上げでみかんをたべる | H.O | 岡崎 |
時は今勉学励み資格取りスキルを研き次に備える | H.O | 岡崎 |
過ぎ去りし思いに耽り目を閉じて瞼の裏に若き日の母 | H.O | 岡崎 |
彼岸すぎもうすぐ祖母と同い年思いに耽りみかんをたべる | H.O | 岡崎 |
故郷の母が送りし果実にて鮮やかに秋めく我が冷蔵庫 | K.S | 岡崎 |
花火音ふと外見れば鮮やかな季節に問わず美しい花 | 野中 謙次郎 | 岡崎 |
新しい飛び込み台で見渡せば踏みつけてきた過去と自分と | R.Y | 岡崎 |
ギザギザと雪に彫られた長靴の娘の上を消してく家路 | R.Y | 岡崎 |
走ったぞ汗はダラダラよし行こういざ銭湯へまたもダラダラ | 小寺 成明 | 垂井 |
コロナ禍の暗いトンネル歩み続け取り戻そう明るい未来 | だーいし | 垂井 |
振りかかる落ち葉尻目に咲く花に変わる季節を感じる日の暮れ | 高津 由 | 垂井 |
今年から思い立ったのウォーキング効果あるかな犬に吠えられ | 西村 徳之 | 垂井 |
大好きなアイドルを見て盛り上がる娘のそばで母一緒に | Y.M | 垂井 |
喧嘩して怒り泣きする子供たち気づけば笑い仲良く遊ぶ | Y.M | 垂井 |
愛しくて子供の体抱きしめるすりよせるほほ最高笑顔 | Y.M | 垂井 |
コロナ禍でイベント自粛の金縛り今こそ築く家族の絆 | 小野 智 | 宇治 |
会社での大事な会議は顔合わせ帰ると家族はリモート会話 | 片岡 信吾 | 宇治 |
あざやかに保津川彩る山々を見上げる頬に映る紅葉 | 澤村 佳裕 | 宇治 |
松原の根土を踏んではやいつき(五月)遠くの故郷をおもいはざりけり | あまあま | 本社 |
英会話レッスン以外の楽しみは週に一回みんなの笑顔 | H.I | 本社 |
秋の夜なれない運転注意して無事に帰宅し「ほっ」とする。 | H.I | 本社 |
また来年確かに聞いた祭り後干された浴衣眺める今夏 | 吉田 雄大 | 本社 |