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 ユニチカユニオン

2022作品コンクールCONCOURS

文芸の部 短歌

特選 入選 佳作(敬称略) 
朝起きていってきますと出るまでが数分刻み子供とバトル
すぐ傍て母と子の様子を見ているような気分になります。「数分刻み」の実感が、その慌ただしさと、早く早くの緊張感をしっかりと伝えておられます。きっといつかこのような日々も楽しい思い出になるのだろう。と思います。
Y.M 垂井
新幹線車窓を伝う雨粒が涙に見えたコロナ禍の夜
所用があり新幹線に乗っておられる作者。コロナに支配されている日々の何と長い事かなどぼうっと考えておられたら雨粒が涙に見えてきた、いつになれば毎日を自由に過ごせるのか、作者の思いが共感を呼ぶようです。
西村 徳之 垂井
日本海落ち行く北のミサイルを眺めて今日も変わらぬ夕日
ちょうどこの作につきまして書かせて頂いている時、日本のEEZ外に北からのミサイ
ルが落下したというニュ−スがまたありました。泰然自若の夕日よ、あなたは御覧になっているだけなのですか。止める方法は無いのでしょうか?
川端 翔子 本社
冬の朝凍えてバス待ち傍らのもふもふの犬を見て暖をとる
バスに遅れてはいけないと早く来てバス停で大分お待ちになっているご様子。暖房などなく寒さで冷えきっておられるが救いは「もふもふの犬」。もふもふというオノマトペアが暖かいひびきを醸して読者もほっとします。
サモエドを飼いたい 宇治
*入選作は講評を抜粋しています
                 
花弁に出迎え来たる岡崎に早半年と過ぎる年月 O.K 岡崎
教科書が豊かと記す黒土の大地に今は戦争がいる 澁谷 健 岡崎
側溝に群れして泳ぐイズミダイ和名授かりどこへ行くのか 澁谷 健 岡崎
トンネルを走って抜けて明るくて上がるいきだけ空に近づく 澁谷 健 岡崎
古本にわずかに残る先人の香に急がされてページをめくる やまと 岡崎
年々と歳を重ねて見てみれば体の変化注意しよう 野中 謙次郎 岡崎
ダイエットしようと決めた明日からたぶん失敗明日からだもん 寄田 望 岡崎
いつだってママ大好きとほほよせて抱いてくれるは小さな味方 Y.M 垂井
嬉しそに孫を見つめる優しい瞳(め)今もどこかで見守っててね Y.M 垂井
寒い日に布団入ると子の温度ぎゅっと抱いて心ぽかぽか Y.M 垂井
大事そに孫抱くその手温かく今も昔も変わらぬ姿 Y.M 垂井
いかやきをほおばり見上げた夜の花次行ける時がまちどおしい 井上 安子 宇治
ブカブカのメットの奥の鋭い目幼き頃の姿重ねる いつか孫にも 宇治
握る手が思い出させるあの頃の見上げる瞳孫との散歩 鵜ノ口 悟 宇治
年が明け春夏秋冬エンドレス年取るにつれ早く過ぎてく げそ 宇治
君の影踏まないように近づいておどかしそびれ二人で笑顔 Y.H 宇治
御堂筋寒さ日に増しきらきらとイルミネーション秋の夜長 H.I 本社
夕立は止んだか?再び蝉しぐれ空一面(そらいっぱい)にダブルレインボー 着本 恭代 本社
満月に兎見つけて跳ねる君追ってみようか亀より早く Y.H 本社
儚さと感動残す大花火儚きいのち奪う戦争 吉田 雄大 本社